はじめに
トヨタ博物館の外で玄関近くに展示されてある1963年式のボンネットバスFB80型です。私が2012年に初めてトヨタ博物館を訪れて2017年にいたるまで、このボンネットバスはここが不動の展示場所であり、かつ、中に乗り込んで見放題の1台でもあります。
このボンネットバスはインドネシアに輸出されてインドネシアで走っていたものを、日本国内に持ってきて日本仕様にレストアされた車両となります。日本で販売された車両を展示するよりもインドネシアから持ってきたほうが早いというくらい、日本国内には現存する車両がありませんでした。
このボンネットバスにわき目もふらず博物館に入っていく方も多いですが、このボンネットバスの中を一度くらい見ておいても損はないはずです。ボンネットバスといえばいすゞが主流なので、トヨタのボンネットバスは珍しい存在です。
ちょっとした遊び心
車内では、ちょっとした遊び心が感じられます。
運転席の頭上を見ると、
車掌:原節子
運転手:石田英司
とあります。「え、原節子!?」と驚くとともに、「石田英司って誰!?」となることでしょう。
この点をトヨタ博物館に確認すると、これはインドネシアから持ってきて日本仕様にレストアする際に付けられたプレートで、原節子は女優の原節子さんであろうけれども、石田英司が誰を指しているのかが実はわからないとのことでした。
たしかに、映画関係で石田英司さんという方は調べても見つかりませんでした。ひょっとすると、レストア担当チームのメンバーの名前かも、などと想像するとまた楽しくなりますね。
博物館による車両説明
トヨタ博物館によるボンネットバスFB80型の公式説明は次の通りとなります。
『1950年代頃までは、運転席の前にエンジンがある、いわゆるボンネット型のバスが主流であったが、大量輸送時代とともに衰退し1970年代初めには徐々にリアエンジン車(キャブオ-バー型)に替わっていった。しかしその後、東海自動車の「伊豆の踊り子号」の様に観光路線の目玉として活用されたのを皮切りに、各地で、古い車をレストアし営業運行にしているケースも散見される』
トヨタのボンネットバスの中古車をお探しの方へ
上述の通り、トヨタ製のボンネットバスは非常に珍しいので、一般的な中古車サイトに出てくることはまずないと思われます。
岡山県にある中古バス専門店であるリマニット・モータリーさんは、かつては社長の趣味で集められたという多くのボンネットバスを販売もしていましたが、2017年4月現在は在庫車両でボンネットバスを確認できませんでした。ただ、ボンネットバスに知見のある会社は数少ないと思われますので、一度ご相談いただくのも良いかもしれません。