現代的かっこ良さも感じられるシルバーレイス
架装されたボディだけを見た場合、何をもって「シルバーレイス」と定義できるのかはわからないほど、コーチビルダーごとに異なったデザインのシルバーレイスがあふれています。ただ、たとえ現代のクーペの価値観をそのままこの時代に持ち込んだとしても、こちらのシルバーレイスは輝いて見えることでしょう。ボディ後半にかけてのデザインが他のシルバーレイスとは異なっており、「もし1台もらえるんだったらこれが良いですね」なんて話していました。私が撮影した画像ではその肝心の後ろ姿がありませんので、是非ワクイミュージアムで直に楽しんでください。
敷居がないミュージアム
ワクイミュージアムで展示・販売されているロール・スロイス、ベントレーその他の車両の中には、とても値段が付けられないような代物もたくさんありますが、これほど敷居が高い車両を展示しているにもかかわらず、スタッフの方々には敷居がありません。初めて足を運んでも居心地が良すぎて、まるで長く顔なじみだったかと勘違いしそうなほどで、気づけば一緒にきりたんぽを食べていました、メインのガレージ内で。楽しくおしゃべりしていた方が実は、さまざまな有名雑誌で執筆している名に覚えのある自動車評論家の方だったとわかったときにはとても不思議な気分にもなりました。「もし1台もらえるんだったらこれが良いですね」なんて話していたのはそのときです。
ワクイミュージアムはこれほど濃い集まりなのに、ふらっと足を運んでも「よそ者感」や「疎外感」を感じることなくヘリテージに触れられる希有な場所です。現在のワクイミュージアムは経営母体がツタヤのCCCグループに代わっていますが、きっと今でも楽しい週末が繰り広げられていることでしょう。