はじめに
モーガンの4/4です。私がこれまで足を運んだ他の自動車博物館にもモーガンの展示はありましたが、それらはスリーホイラーでした。4/4の展示はジーライオンミュージアムだけだったと記憶しています。
ジーライオン・ミュージアムでは1937年式モデルが展示されていますが、この4/4は今でも新車購入できる現行車種となります。もちろん、デビューから現在にいたるまで何度もモデルチェンジが繰り返されていますが、モーガンのホームページで確認しても80年分のモデルチェンジが容易に感じられないほど、キープコンセプトを貫き通しています。
そして、これほどキープコンセプトで続けられるということは、最初の設計が確かであったという何よりの証でしょう。4/4は1936年にデビューしており、展示車両は1937年なのでまさに初期モデル、未来80年分の設計が既に詰まっている1台と言えます。
博物館による車両説明
ジーライオン・ミュージアムではこちらのモーガンの脇にタブレット端末が設置されており、実際の走行映像や当時の世相解説などを楽しめるようになっています。そのタブレット端末での車両解説は次の通りです。
『1910年の創業から100年以上、精神的な支柱をまったく変えていない「クルマ界きっての化石」がモーガン。ヘンリー・フレデリック・スタンレイ・モーガンは主に二輪車のエンジンを積んだ小さな三輪スポーツカー(前が二輪で後ろが一輪)でそこそこの成功をおさめたが、クルマが一般に普及し始めた1930年代を迎えて四輪への進出を決意。そこでフォード・テンのエンジンを積んで試作したのが4/4の始まり。
その車名だけでなく、独立したフレームに古風なボディを架装した全体形も、スライディングピラー式の前輪独立サスペンションも、基本的に現在まで変わらず守られている。その頑固さがかえって人気の的にもなっているのは事実。しかし、あまりにも時代錯誤的なままでは生き残りが難しいため、近年は少し近代化を施したエアロ・シリーズも発売した。
1935年12月に発売された4/4は1122ccでFヘッドを持つコヴェントリー・クライマックス・エンジンを積んでいたが、1939年にはモーガンの仕様に従ってスタンダードが改装したものに載せ換えられた。性能面では同時代に開発されたMGミジェットに少し及ばなかったが、ヘンリー自身と長男ピーターがトライアルで奮闘するなど注目を集め、1938までに812台を販売した。
4/4は1938年と1939年のルマン24時間にもクライマックス1098ccエンジンで挑み、そのレプリカも何台か販売された』
モーガン4/4の中古車をお求めの方へ
まず、モーガンの4/4は上述の通り、現行モデルです。中古車どころか新車購入も可能となっています。
あるいは、展示車両くらいの年式の4/4が欲しいということであれば、ジーライオンミュージアムに直接ご相談いただくのも良いかもしれません。私から見ると、ジーライオンミュージアムの展示車両と販売車両とがどのような基準で分けられているのかがわからないほど、1900年代1910年代くらいからの博物館級の車両が普通に販売車両としてグーネットやカーセンサーに売り出されています。面白いミュージアムです。