Zoom-Zoomフォーラムでコスモスポーツのプロトタイプを見る
コスモスポーツのプロトタイプは普段は横浜にあるマツダの研究開発センター内に置かれています。もちろん、そちらへ入れる機会は限られており、その限られた機会の1つが「サステイナブルZoom-Zoomフォーラム」となります。今回は2016年10月29日から10月31日の期間限定ですが、事前申し込みが必要となりますのでご注意ください。
広島県警のコスモスポーツパトカー
フォーラムの休憩時間にコスモスポーツのプロトタイプや他の車両を見ていると、パネル写真の中に広島県警のコスモスポーツパトカーを見つけました。警視庁の高速機動隊に配備されたコスモスポーツがあったことは知っていましたが、パネルの広島県警のは高速用なのでしょうか。気になる1台でした。
マツダによる展示解説
プロトタイプの後ろで説明されていたロータリーエンジンの完成説明は次の通りとなります。「カーボン」という言葉から、今とは違った響きが感じられます。
『ロータリー研究部発足から半年後、彼らはローターの頂点とハウジングの隙間を埋めるアペックスシールが自ら振動を起こすことがチャターマークの原因だと突き止めた。そこから3年をかけ、チャターマークのつかない高強度カーボンアペックスシールの開発に成功した。また、低速時の振動問題は、シングルローターを2ローターとすることで、ロータリーエンジン特有のなめらかな回転と、レシプロ直列6気筒エンジンとほぼ同等のトルクを得ることに成功し、振動を大幅に緩和した。
完成当時(1965年)、東洋一といわれた三次テストコースで、排気量491cc*2の試作エンジンのテスト走行を繰り返した。1000時間連続運転、10万キロの走行テストでも、すでに「悪魔の爪痕」は見られなかった。寒冷地から熱帯地域へ、市街地から高速道路へ、走行テストは6年間で300万kmにおよんだ。
そして1967年5月。6年の歳月と40億円以上の開発費を注ぎ込み、ついに世界初の2ローターエンジンを搭載したコスモスポーツが発売された。コスモスポーツは、その斬新なデザイン、高い走行性能によって世界中に衝撃を与えた。それはまさに、様々な問題に果敢に挑戦した技術者たちの努力の結晶であった。』