はじめに
魔方陣スーパーカーミュージアムにある1994年式のブガッティのEB110です。私がこれまで足を運んだ日本国内の自動車博物館の中で、ブガッティのEB110が展示されてあるのは魔方陣スーパーカーミュージアムだけでした。
しかも、ここは車両の周囲に柵もないので、好きなだけ近づいて鑑賞することができます。ブガッティといえば馬蹄型のラジエーターグリルが伝統とされており、このEB110にも馬蹄型デザインのグリルが確認できますが、もはや無くても良いくらいの無理やりな小ささなので、間近に見れば見るほどかえってチャーミングに思えます。訪れる方は是非この馬蹄も間近に楽しんでください。ヴェイロンの馬蹄グリルを見慣れてしまっているとなおさら、EB110の馬蹄は愛嬌満点です。
偉大なエットーレ・ブガッティ
創業者エットーレ・ブガッティ(Ettore Bugatti)の頭文字”EB”と、エットーレ・ブガッティの生誕110周年記念で作られた”110″を合わせての「EB110」というネーミングですが、ブガッティ社の創業110周年ではなくエットーレ・ブガッティの生誕110年というところに、エットーレ・ブガッティの偉大さが垣間見えます。
また、1960年代ならともかく、90年代の市販車で3.5リッターしかない12気筒というのは、どういう設計思想があったのだろうかと想像を膨らませてしまいます。1991年にフランスのラ・デファンスでEB110がお披露目された際、肝心の価格については「ディアブロよりは高価です。投資目的ではなく、本当に乗って楽しもうと買ってくださる方にだけ、直接お答えします」と価格をオープンにしませんでした。しかし、ディアブロを引き合いに出したことから、ガンディーニとの不和があったにせよ、ディアブロがライバルの1つであったことは間違いありません。初代ディアブロは5.7リッターのV12エンジンです。テスタロッサは5リッターV12ですし、こうなるとEB110の高回転型3.5リッターV12に最も近いのは、当時のF1の3.5リッターNA12気筒かなとすら感じます。
という具合に、車両を間近に見ていると、次から次へと想像がかき立てられるEB110です。
ブガッティの中古車をお探しの方へ
ブガッティの新車ではなく中古車となると、グーネットやカーセンサーのようなオープンな中古車サイトでも常に何かは販売されています。2017年4月時点ではEB110は確認できませんでしたが、1926年式のタイプ35が販売されています。
また、ビンゴスポーツのような特殊なショップもグーネットやカーセンサーで販売しており、今はソールドアウトとなってヴェイロンも掲載していました。
ブガッティのような価格帯の中古車でも一度、グーネットやカーセンサーをご確認いただければと思います。