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2017
30
Apr
【BMWの507ロードスターを見に行こう!】

中央にはKOITO、下側にはSEALED BEAMの文字が確認できました。

意匠ありきと思いきや、空気を取り込む構造になっていました。

脱着可能なハードトップです。これを装着したクーペ姿は一度も見たことがありません。

ホイールキャップがプロペラっぽく見えてしまいます。

中央にはKOITO、下側にはSEALED BEAMの文字が確認できました。意匠ありきと思いきや、空気を取り込む構造になっていました。脱着可能なハードトップです。これを装着したクーペ姿は一度も見たことがありません。ホイールキャップがプロペラっぽく見えてしまいます。

はじめに

 BMW史上もっとも美しいクーペかもしれない507ロードスターです。同じBMWの6シリーズをさしおいて世界一美しいクーペと呼ばれることもあります。

 私はこれまで507ロードスターを何度も見てきましたが、すべて堺市ヒストリックカーコレクションのこの同じ1台です。堺市ヒストリックカーコレクションはイベントへの車両貸出を積極的におこなう一方で、年に数回ペースでコレクションの所蔵庫を無料開放する施設見学会を開催しているため、その気になれば何度でも間近に見ることができます。

 特に、施設見学会では車両に囲いがないため、本当に触れられそうな距離でじっくり鑑賞できてお薦めです。

現存台数は100台

 507ロードスターは世界で252台が生産され、現存しているのは100台ほどと言われています。エルヴィス・プレスリーが愛車にしていた507ロードスターをBMWが全面バックアップでフルレストアしたように、とにかく廃車にしないという意識が働くモデルですので、この先も100台前後の台数は維持できることでしょう。

採算度外視の美しさ

 廃車にしてはいけないという意識の裏には、252台を生産しただけで会社が傾いたほどの採算度外視があります。当時の価格はメルセデス・ベンツのあの300SLと同じだったのですが、その価格で販売しても大赤字で会社が傾いたのですから、どれだけ渾身の1台だったのかと少し呆れつつも、喝采を否定できません。

 「世界一美しい」などという称号は、やはりこれくらい非常に危うい均衡の上に成り立つ車にこそふさわしいものだと、一人で勝手に得心してしまいます。

ボディは再塗装

 堺市ヒストリックカーコレクションの507ロードスターには再塗装が施されています。この「再塗装」という言葉に「え、オリジナルじゃないの!?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、レストアされたエルヴィス・プレスリーの507も「再塗装」です。

 どのメーカーのヒストリクッカーであれ、この時代の塗装に対してメンテナンスを放棄すれば、腐食が進んで本来の姿を見せることができません。

 もちろん、車両によってはその「古び」を感じさせるのがまた味であると解釈することもできますが、507ロードスターについてはメンテナンスを施すのが正解でしょう。当時の色味まで忠実に再現されているので、是非間近でご覧ください。

ドアミラーは他社製

 この507ロードスターのドアミラーは他社製に交換されています。より正確に言うならば、507オリジナルのドアミラーなど入手不可能なので、ワンオフで作成したということでしょう。

内装の色がまた格好良い

 内装を見ると、今の時代ではなかなか選ばれない色味となっていてたまらないのですが、堺市の調査によると、内装は張り替えられているようです。いつの段階で張り替えられたかまでははわかりませんが、この時代のこの507に最も相応しい選択がなされているように思います。

 海外の507ロードスターの画像を見ていると、明らかに今風の色味だったり、今風のステッチワークになっているものすら散見されますが、この堺市の507ロードスターにそのような違和感は覚えません。1950年代の趣がそのままに感じられますので、内装も必見です。

ヘッドライトはコイト製?

 ヘッドライトに”KOITO”の文字が確認できたのでスタッフの方にうかがったところ、ヘッドライトのメンテナンス履歴までは把握していなかったとのことでした。手持ちの資料にも掲載がなかったようです。

 ただ、小糸製作所といえばヘッドライト技術で自動車業界を大きく支えている企業です。世界初のLEDヘッドライトを開発・実用化してレクサスLSに供給したのも小糸製作所ですし、507のメンテナンスに小糸製作所が関わっているとわかると物凄く力強く思えます。

BMW507ロードスターの中古車をお探しの方へ

 classicdriverという海外の販売サイトには2017年5月時点で4台の507ロードスターが売り出されており、価格はすべて伏せられています。

 海外オークションの落札相場を確認すると1億円前後で安定した価格をつけており、この値段だけで考えるならカーセンサーやグーネットでも1億円以上の車両が出ることはまれにあります。

 しかし、現存台数は世界でも100台前後ですし、日本には2台しかないと言われていますので、グーネットやカーセンサーのような日本の中古車サイトに出てくることはまずないことでしょう。私は一度も見たことがありません。

 堺市のヒストリックカーコレクションは正規ディーラーのエルベオートさんがメンテナンスを担当しており、施設見学会にも必ず整備スタッフの方々がやってきて、いろいろとお話をうかがうことができます。

 もし購入を検討されている場合には、メンテナンスのもろもろの話をうかがっておけば、見通しが非常にクリアになるかと思います。 
 


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中央にはKOITO、下側にはSEALED BEAMの文字が確認できました。

意匠ありきと思いきや、空気を取り込む構造になっていました。

脱着可能なハードトップです。これを装着したクーペ姿は一度も見たことがありません。

ホイールキャップがプロペラっぽく見えてしまいます。

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2017
30
Apr

【BMWの507ロードスターを見に行こう!】

中央にはKOITO、下側にはSEALED BEAMの文字が確認できました。意匠ありきと思いきや、空気を取り込む構造になっていました。脱着可能なハードトップです。これを装着したクーペ姿は一度も見たことがありません。ホイールキャップがプロペラっぽく見えてしまいます。

はじめに

 BMW史上もっとも美しいクーペかもしれない507ロードスターです。同じBMWの6シリーズをさしおいて世界一美しいクーペと呼ばれることもあります。

 私はこれまで507ロードスターを何度も見てきましたが、すべて堺市ヒストリックカーコレクションのこの同じ1台です。堺市ヒストリックカーコレクションはイベントへの車両貸出を積極的におこなう一方で、年に数回ペースでコレクションの所蔵庫を無料開放する施設見学会を開催しているため、その気になれば何度でも間近に見ることができます。

 特に、施設見学会では車両に囲いがないため、本当に触れられそうな距離でじっくり鑑賞できてお薦めです。

現存台数は100台

 507ロードスターは世界で252台が生産され、現存しているのは100台ほどと言われています。エルヴィス・プレスリーが愛車にしていた507ロードスターをBMWが全面バックアップでフルレストアしたように、とにかく廃車にしないという意識が働くモデルですので、この先も100台前後の台数は維持できることでしょう。

採算度外視の美しさ

 廃車にしてはいけないという意識の裏には、252台を生産しただけで会社が傾いたほどの採算度外視があります。当時の価格はメルセデス・ベンツのあの300SLと同じだったのですが、その価格で販売しても大赤字で会社が傾いたのですから、どれだけ渾身の1台だったのかと少し呆れつつも、喝采を否定できません。

 「世界一美しい」などという称号は、やはりこれくらい非常に危うい均衡の上に成り立つ車にこそふさわしいものだと、一人で勝手に得心してしまいます。

ボディは再塗装

 堺市ヒストリックカーコレクションの507ロードスターには再塗装が施されています。この「再塗装」という言葉に「え、オリジナルじゃないの!?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、レストアされたエルヴィス・プレスリーの507も「再塗装」です。

 どのメーカーのヒストリクッカーであれ、この時代の塗装に対してメンテナンスを放棄すれば、腐食が進んで本来の姿を見せることができません。

 もちろん、車両によってはその「古び」を感じさせるのがまた味であると解釈することもできますが、507ロードスターについてはメンテナンスを施すのが正解でしょう。当時の色味まで忠実に再現されているので、是非間近でご覧ください。

ドアミラーは他社製

 この507ロードスターのドアミラーは他社製に交換されています。より正確に言うならば、507オリジナルのドアミラーなど入手不可能なので、ワンオフで作成したということでしょう。

内装の色がまた格好良い

 内装を見ると、今の時代ではなかなか選ばれない色味となっていてたまらないのですが、堺市の調査によると、内装は張り替えられているようです。いつの段階で張り替えられたかまでははわかりませんが、この時代のこの507に最も相応しい選択がなされているように思います。

 海外の507ロードスターの画像を見ていると、明らかに今風の色味だったり、今風のステッチワークになっているものすら散見されますが、この堺市の507ロードスターにそのような違和感は覚えません。1950年代の趣がそのままに感じられますので、内装も必見です。

ヘッドライトはコイト製?

 ヘッドライトに”KOITO”の文字が確認できたのでスタッフの方にうかがったところ、ヘッドライトのメンテナンス履歴までは把握していなかったとのことでした。手持ちの資料にも掲載がなかったようです。

 ただ、小糸製作所といえばヘッドライト技術で自動車業界を大きく支えている企業です。世界初のLEDヘッドライトを開発・実用化してレクサスLSに供給したのも小糸製作所ですし、507のメンテナンスに小糸製作所が関わっているとわかると物凄く力強く思えます。

BMW507ロードスターの中古車をお探しの方へ

 classicdriverという海外の販売サイトには2017年5月時点で4台の507ロードスターが売り出されており、価格はすべて伏せられています。

 海外オークションの落札相場を確認すると1億円前後で安定した価格をつけており、この値段だけで考えるならカーセンサーやグーネットでも1億円以上の車両が出ることはまれにあります。

 しかし、現存台数は世界でも100台前後ですし、日本には2台しかないと言われていますので、グーネットやカーセンサーのような日本の中古車サイトに出てくることはまずないことでしょう。私は一度も見たことがありません。

 堺市のヒストリックカーコレクションは正規ディーラーのエルベオートさんがメンテナンスを担当しており、施設見学会にも必ず整備スタッフの方々がやってきて、いろいろとお話をうかがうことができます。

 もし購入を検討されている場合には、メンテナンスのもろもろの話をうかがっておけば、見通しが非常にクリアになるかと思います。 
 


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