はじめに
世界に1台しか存在しないBMWのスリーホイーラー(3輪車)です。1933年式となっていますが、正確な生い立ちについてはよくわかっていません。私は堺市のヒストリックカーコレクションが大阪各所のイベントで展示される際にはその都度できるだけ足を運んできましたし、竹城台倉庫の見学会にも足を運んで来ましたが、このスリーホイーラーを見たほとんどの方が「え、こっちが前なの!?」と驚かれていました。タイヤが一輪ではなく二輪のほうが前となるので、1枚目の画像は後ろから撮影したものとなります。
一応FRとなるBMWスリーホイーラーの基本スペック
トランスミッションは前進3段と後進1段で、サスペンションはフロントとリア共にリジット式リーフスプリングとなります。ステアリングはポールジョイント形式で、空冷単気筒OHVの396ccシングルキャブエンジンは3,000rpmで最高出力15馬力を発揮します。ボア×ストロークは56.0×76.0です。
ちなみに、このスリーホイーラーはBMW公式にはFRとなっているのですが、FRと言われればそうとも見えるけど、MRでも良いようなそうでもないような、そんなFRに見えてしまいます。
堺市による車両説明
堺市が平成18年に行ったヒストリックカーコレクション基礎調査報告書内における、スリーホイーラーの車両解説は次の通りとなります。
『BMW社が手掛けた唯一の商用車で、世界に一台しか現存しないと言われている超希少車。前2輪・後1輪のスリーホイーラーと呼ばれている。エンジンはBMWのバイク用を流用していて、自動車とバイクの中間的なメカニズムが興味深い。』
BMWスリーホイーラーの中古車をお探しの方へ
残念ながら、市場に出てくることはまずないと思われます。世界に1台しかないと言われているこの車両ですが、実際これまで何度も調べてみましたが、こちらのドイコレクション以外でスリーホイーラーの姿を見かけてこともありませんし、情報すら垣間見たことがありません。資料価値が高い完全な博物館モノです。非現実的ですが、現所有者の堺市から買い取る以外の選択肢はないと思われます。非現実的ですが。